
特定技能1号の対象となる特定産業分野は、現在19分野に整理されています。このページでは、分野ごとの仕事内容や働き方の違いをわかりやすく整理します。
なお、分野によって受入れ状況や開始時期が異なるため、最新情報は出入国在留管理庁の「特定技能制度」もあわせて確認してください。
特定技能の制度全体や、1号と2号の違い、取得の流れについては、「特定技能とは」の記事で詳しく解説しています。
特定技能1号の対象となる特定産業分野は、現在19分野に整理されています。分野によって仕事内容や働く場所、人と接する場面の多さなどが異なるため、ここでは各分野の特徴を順に整理します。
介護は、高齢者施設などで生活を支える仕事です。食事、入浴、移動、排せつなどの介助のほか、利用者の生活を見守る場面もあります。人と接する時間が長く、相手の気持ちを考えながら働くことが大切なため、人の役に立つ仕事がしたい方や、会話や支え合いのある仕事をしたい方に向いています。

ビルクリーニングは、建物の中を清潔に保つ仕事です。オフィスビル、商業施設、宿泊施設などで、床や共用部分などの清掃を行います。接客よりも、決められた作業をていねいに進めることが中心になるため、一つ一つの作業を落ち着いて進めたい方や、清掃や管理の仕事に興味がある方に合いやすい分野です。
リネンサプライは、ホテルや病院などで使うシーツ、タオル、制服などを回収し、洗濯し、仕上げる仕事です。現在は特定技能の対象分野に含まれています。接客中心ではなく、作業を安定して進める仕事に近いため、裏方の仕事が好きな方や、決まった流れで仕事を進めたい方に向いています。
工業製品製造業は、工場でものを作る仕事です。部品の加工、組立て、検査、機械の操作など、ものづくりに関わる仕事が中心です。現在の制度では、製造分野は工業製品製造業として整理されています。接客よりも作業中心で、正確さや集中力が求められるため、工場勤務やライン作業に興味がある方や、手順を覚えてコツコツ進める仕事が好きな方に向いています。

建設は、建物や道路、設備などを作ったり直したりする仕事です。現場で作業することが多く、体を動かす場面も多い分野です。屋外で働くことも多く、安全に注意しながら仕事を進める必要があるため、現場仕事に興味がある方や、体を使う仕事をしたい方に向いています。
造船・舶用工業は、船を造ったり、船に関係する部品や設備を扱ったりする仕事です。溶接、塗装、加工、組立てなど、現場でのものづくりが中心になります。そのため、製造系の仕事に関心がある方や、手作業や現場作業が好きな方に合いやすい分野です。

自動車整備は、車の点検や整備を行う仕事です。整備工場などで、車の状態を確認し、必要な整備や修理を行います。車や機械に興味がある方にはイメージしやすい分野で、細かい確認をていねいに行う仕事が好きな方に向いています。
航空分野では、空港での地上業務や、航空機の整備に関わる仕事があります。手荷物や貨物の取扱い、運航を支える仕事などが含まれます。空港という特別な場所で、ルールを守りながらチームで働くことが多いため、正確に仕事を進めることが得意な方や、チームで動く仕事が好きな方に向いています。

宿泊は、ホテルや旅館で働く仕事です。フロント、館内案内、接客、レストランサービスなど、利用者と接する場面が多くなります。人と話すことが好きな方や、接客の仕事に興味がある方に向いている分野です。

自動車運送業は、バス、タクシー、トラックなど、車を使って人や物を運ぶ仕事です。現在の対象分野の一つで、ほかの分野と違って、運転免許や研修などの条件が問題になりやすいのが特徴です。そのため、運転の仕事に関心がある方や、移動や物流を支える仕事がしたい方に向いていますが、応募前には個別の条件をよく確認することが大切です。
鉄道分野は、鉄道の運行や整備、設備に関わる仕事です。車両、電気設備、軌道など、社会インフラを支える仕事が含まれます。安全性が重視される仕事に関心がある方や、公共性の高い仕事がしたい方に向いています。
物流倉庫は、倉庫内で荷物の受入れ、仕分け、保管、出荷などを行う仕事です。特定技能の対象分野の一つとして位置づけられていますが、受入れは省令等の準備が整い次第開始される予定です。作業では正確さや段取りのよさが求められるため、接客よりも倉庫内作業を中心に働きたい方や、決められた手順に沿って作業を進めることが得意な方に向いています。

農業は、野菜や果物を育てる仕事や、畜産に関わる仕事です。自然の中で体を動かしながら働く場面が多い分野です。屋外で働きたい方や、体を動かすことが苦になりにくい方に向いています。

漁業は、魚や貝などをとる仕事や育てる仕事に関わる分野です。海や港の近くで働くことが多く、体力を使う場面も少なくありません。水産業に関心がある方や、自然相手の仕事に興味がある方に向いています。
飲食料品製造業は、食品工場などで食べ物や飲み物を作る仕事です。原料の処理、加工、製造、包装など、工場内での作業が中心になります。衛生管理が大切な分野なので、ルールを守って働くことが求められます。そのため、食品工場の仕事に興味がある方や、接客より作業中心の仕事がしたい方に向いています。

外食業は、レストラン、食堂、飲食店などで働く仕事です。調理、配膳、接客、店舗運営に関わる業務があります。飲食の仕事に興味がある方や、人と関わる仕事をしたい方に向いています。
林業は、森林の手入れや木の伐採、運搬などに関わる分野です。現在の対象分野に含まれており、屋外作業が中心です。山や森林に関わる仕事に興味がある方や、体を動かす仕事をしたい方に向いています。
木材産業は、木材の加工、製材、乾燥、選別などに関わる仕事です。林業と似て見えますが、こちらは木材を製品として扱う工程の仕事です。現在の対象分野に含まれており、木に関わる仕事をしたい方や、加工や製造の仕事に興味がある方に向いています。
資源循環は、廃棄物の処理や資源の再利用など、資源循環に関わる仕事を対象とする分野です。特定技能の対象分野の一つとして位置づけられていますが、受入れは省令等の準備が整い次第開始される予定です。環境やリサイクルに関わる仕事に興味がある方や、現場作業・設備に関わる仕事に関心がある方が検討しやすい分野です。

特定技能1号の分野を選ぶときは、分野名だけを見るより、働き方の違いを見る方がわかりやすいです。
人と接することが多い分野としては、介護、宿泊、外食業がわかりやすいです。利用者やお客様とのやり取りがあるため、会話の場面が比較的多くなります。
工業製品製造業、飲食料品製造業、ビルクリーニング、リネンサプライなどは、接客よりも作業中心の仕事として比較しやすい分野です。物流倉庫も作業中心の分野ですが、受入れは省令等の準備が整い次第開始される予定です。
建設、農業、漁業、林業は、屋外で働く場面が多い分野です。天候や季節の影響を受けることもあるため、働く環境まで見ておくと安心です。
建設、農業、漁業、林業、ビルクリーニングなどは、体を動かす場面が多い分野です。一方で、工場系や整備系の仕事は、体力だけでなく集中力や正確さも大切になります。
自動車整備、自動車運送業、航空、鉄道は、車両や機械、設備に関心がある方に向いています。同じ機械系でも、整備なのか、運送なのか、設備なのかで働き方はかなり違います。
分野を選ぶときは、仕事内容だけでなく、分野ごとの技能試験や日本語試験もあわせて確認しておくと安心です。最新の試験情報は、出入国在留管理庁の試験関係ページをご確認ください。

特定技能1号は、基本的に「何年の実務経験が必要」という制度ではなく、分野ごとの技能試験と日本語試験、または技能実習2号を良好に修了した場合の試験免除が基本です。
そのため、「経験がないと無理」とまでは言えません。ただ、実際には、これまでの仕事経験があるとイメージしやすい分野はあります。
介護、宿泊、外食業は、会話や相手への気配りが大切です。接客やサービス業の経験がある方は、仕事をイメージしやすいことがあります。
工業製品製造業、飲食料品製造業、木材産業は、作業手順を守りながら進める力が活かしやすい分野です。
建設や林業などは、現場作業に慣れている方の方が働くイメージを持ちやすい分野です。資源循環も現場作業を含む分野ですが、受入れは省令等の準備が整い次第開始される予定です。
自動車整備、自動車運送業、鉄道、航空は、車や設備、機械に関心がある方に向いています。特に自動車運送業は、分野固有の条件があるため、求人ごとの確認が大切です。
すでに日本に在留していて、特定技能1号への移行準備を進めている方は、「特定技能1号への移行特例」もあわせてご確認ください。
特定技能1号には19の対象分野があり、仕事内容や働く場所、求められる技能は分野ごとに異なります。
分野を選ぶ際は、分野名だけで判断するのではなく、実際の仕事内容や働く環境、必要な技能や試験、自分に合う働き方かどうかを確認することが大切です。
また、分野によって受入れ状況や開始時期が異なるため、申請や就職を検討する際は、出入国在留管理庁の最新情報もあわせて確認してください。
特定技能制度の全体像や、1号と2号の違い、取得までの流れについては、「特定技能とは」の記事で詳しく解説しています。
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・東京都葛飾区金町出身。平成21年の開業以来、地域密着で行政書士業務を行う。
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『週刊新潮』『女性自身』『産経新聞』などで取材協力。著書に『行政書士が教える墓じまい・改葬の進め方』(税務経理協会)がある。
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