
特定技能は、人手不足がある産業分野で、一定の専門性や技能を有する外国人の方が働くための在留資格です。
特定技能には「1号」と「2号」があり、在留期間、家族帯同の可否、支援の有無などに違いがあります。
また、対象となる分野や取得要件も定められているため、制度全体の仕組みを理解したうえで、自分がどの分野・区分に当てはまるのかを確認することが大切です。
このページでは、特定技能1号と2号の違い、取得までの流れ、受入れ機関の要件、支援体制など、特定技能制度の基本を整理して解説します。

特定技能には1号と2号があり、技能水準、在留期間、家族帯同の可否、支援の有無などに違いがあります。
特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する方向けの在留資格です。在留期間は原則として通算5年が上限で、家族の帯同は基本的に認められていません。また、受入れ機関または登録支援機関による支援の対象となります。
これに対して、特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する方向けの在留資格です。在留期間は更新できますが、更新回数に制限はありません。要件を満たせば配偶者や子の帯同も可能で、特定技能1号のような支援の対象とはなっていません。

特定技能の対象となる特定産業分野は、現在19分野に整理されています。ただし、分野によって受入れの開始時期や運用状況が異なり、物流倉庫分野と資源循環分野は、省令等の準備が整い次第、受入れが可能となる予定です。
主な分野には、介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業などがあります。
分野ごとの対象業務や受入れ状況については、「特定技能1号の分野一覧」で詳しく整理しています。
特定技能を取得する流れは、海外から来日する場合と、すでに日本に在留している場合で異なります。一般的には、技能試験・日本語試験などの要件確認、就労先の決定、雇用契約、在留資格の申請を経て就労を開始します。

一般的には、まず希望する分野で必要となる技能試験や日本語試験の合格、または試験免除に当たるかどうかを確認します。次に、受入れ機関との雇用契約を結び、必要に応じて特定技能1号の支援計画を整えます。
その後、日本側で地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請を行い、交付後に在外公館で査証申請を行って入国する流れになります。

すでに日本に在留している方が特定技能へ移る場合は、就労予定の分野に応じた試験要件や免除要件を確認し、受入れ機関との雇用契約を結んだうえで、地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行うのが基本です。
申請取次者が手続を行う場合は、本人に代わって地方出入国在留管理局へ申請することができます。また、オンライン申請を利用できる場合は、来庁せずに手続を進めることも可能です。
在留期限までに特定技能1号への変更申請準備が間に合わない場合は、「特定技能1号への移行特例」もあわせてご確認ください。

特定技能1号では、外国人の方を雇用する受入れ機関が支援計画を作成し、日本での仕事や生活を安定して続けられるよう必要な支援を行います。
支援は受入れ機関が自ら行うことも、登録支援機関に委託することもできます。特定技能1号で働く場合は、雇用先がどのような支援体制を整えているのかを事前に確認しておくことが大切です。
主な支援には、入国前の事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保や生活に必要な契約の支援、生活オリエンテーション、公的手続への同行、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応、日本人との交流促進、転職支援、定期的な面談などがあります。
なお、この支援義務は特定技能1号を対象としたもので、特定技能2号には同様の支援義務はありません。

特定技能の申請では、試験に合格しているかどうかだけでなく、分野、雇用条件、支援体制なども含めて確認することが大切です。特に、次の点は申請前に整理しておきたいところです。
仕事内容が特定技能のどの分野に当たるのかを確認します。分野によって業務内容や必要書類の整理が異なります。
分野によって必要な試験が異なります。技能実習2号を良好に修了した場合など、試験免除が認められるケースもあります。
仕事内容、勤務場所、労働時間、報酬、社会保険の取扱いなどを確認します。特定技能では、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬が求められます。
特定技能1号では、雇用先の会社などの受入れ機関が生活面を含む支援を行う仕組みになっています。支援を自社で行うのか、登録支援機関に委託するのかも確認しておきたい点です。支援体制が十分でないと、住居の確保、生活手続、相談対応などが不十分になり、日本での生活や就労の開始に支障が出ることがあります。
雇用先の会社などの受入れ機関についても、労働・社会保険・租税関係法令を遵守していること、一定の欠格事由に該当しないこと、分野ごとの基準を満たしていることなどが求められます。特定技能1号では、支援を適切に実施できる体制が整っているかどうかも重要です。

特定技能では、受入れ機関が雇用状況や支援の実施状況などについて、出入国在留管理庁へ所定の届出を行う必要があります。
定期届出は年1回となっており、届出の対象期間や提出時期、必要書類は最新の案内に沿って確認することが重要です。また、雇用契約の変更や終了、支援計画の変更などが生じた場合には、内容に応じて随時届出が必要となります。
届出の内容や提出方法は制度改正によって見直されることがあるため、実際に手続を行う際は、出入国在留管理庁の「特定技能制度」や「在留資格『特定技能』」の最新情報を確認してください。

特定技能は、人手不足がある産業分野で一定の技能を持つ外国人の方が働くための在留資格で、1号と2号に分かれています。両者では、技能水準、在留期間、家族帯同、支援の有無などに違いがあります。
そのため、申請を検討する際は、自分がどの対象分野に当てはまるのかを確認したうえで、技能試験や日本語試験などの要件、雇用契約の内容、受入れ機関の体制、特定技能1号の支援内容まで順に整理しておくことが大切です。
また、特定技能制度は対象分野や届出方法などの運用が見直されることもあるため、実際に申請や受入れを進める際は、出入国在留管理庁の最新情報を確認しながら手続を進める必要があります。
Visa・在留資格に関する関連記事や手続サポートについては、「Visa・在留資格サポート」のページでご案内しています。

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・東京都葛飾区金町出身。平成21年の開業以来、地域密着で行政書士業務を行う。
婚姻届・離婚届の証人対応、在留資格(Visa)申請、各種契約書作成など、個人の生活に関わる法務手続きをサポートしている。
『週刊新潮』『女性自身』『産経新聞』などで取材協力。著書に『行政書士が教える墓じまい・改葬の進め方』(税務経理協会)がある。
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