
動物用医薬品販売業では、取り扱う医薬品や販売方法に応じて、店舗販売業、卸売販売業、配置販売業、特例店舗販売業などの許可区分を確認する必要があります。
本ページでは、人用医薬品販売業との違い、販売業の種類、申請に必要な主な書類、管理者・登録販売者、特定販売、許可後の手続きなどを整理して解説します。
現在、当事務所では動物用医薬品販売業を含む医薬品関連手続きについて、新規のご依頼受付を一時停止しております。受付を再開する場合は、本ページにてご案内いたします。

動物用医薬品販売業は、動物用医薬品を販売し、授与し、または販売・授与の目的で貯蔵・陳列する場合に必要となる許可です。
動物用医薬品は、犬や猫などのペット、牛・豚・鶏などの産業動物、その他の飼育動物に使用される医薬品です。販売する相手や販売方法、取り扱う医薬品の種類によって、必要となる販売業の区分が変わります。
人用医薬品の販売制度と似た名称もありますが、動物用医薬品販売業は別の制度として整理する必要があります。所管や手続きの案内も異なるため、動物用医薬品を扱う場合は、動物薬事の制度に沿って許可区分や手続きを確認します。

人用医薬品販売業は、人が使用する医薬品を対象とする制度です。一方、動物用医薬品販売業は、動物に使用する医薬品を対象とする制度です。
どちらも「医薬品販売業」という言葉を使いますが、動物用医薬品については、農林水産省や都道府県の動物薬事担当窓口の案内を確認することになります。
また、登録販売者についても、人用医薬品の制度と動物用医薬品の制度をそのまま同じものとして扱うことはできません。動物用医薬品登録販売者は、動物用医薬品販売業の許可を受けた店舗等において、指定医薬品以外の動物用医薬品を販売できる専門家として整理されています。
そのため、動物用医薬品を取り扱う場合は、人用医薬品の制度とは分けて、必要な許可区分や取扱品目、資格者の体制を確認する必要があります。

動物用医薬品を、事業として販売し、授与し、または販売・授与する目的で貯蔵・陳列する場合は、原則として動物用医薬品販売業の許可が必要です。
たとえば、ペットショップや動物関連用品店で動物用医薬品を店頭販売する場合、畜産関係者や動物病院などに継続して販売する場合、配置販売を行う場合、インターネットや電話などを利用して販売する場合などが該当します。
ただし、販売方法や販売先、取り扱う医薬品の種類によって必要となる許可区分は異なります。
確認したい主な事項は、次のとおりです。
最初に販売方法と取扱品目を整理しておくと、必要な許可区分や申請書類を確認しやすくなります。

動物用医薬品販売業には、主に次の4種類があります。
どの許可が必要になるかは、販売場所、販売先、販売方法、取り扱う医薬品によって異なります。
それぞれの特徴を確認していきます。
店舗販売業は、店舗で動物用医薬品を販売または授与する業態です。
店舗で購入者に販売する場合のほか、電話やインターネット等を使って特定販売を行う場合も、許可を受けた店舗を基礎として販売体制を整えます。そのため、店舗販売業では、店舗の場所や貯蔵設備、管理者、業務を行う体制などを確認し、特定販売を行う場合は、その方法や通信手段、販売時間、取扱医薬品、相談対応などもあわせて整理する必要があります。
なお、医薬品を携帯して店舗外で販売する形は、店舗を基礎とする店舗販売業とは異なるため、別の販売形態として考える必要があります。
卸売販売業は、販売先を限定して動物用医薬品を販売または授与する業態です。主な販売先としては、動物用医薬品の製造販売業者・製造業者・販売業者、動物病院などの飼育動物診療施設の開設者などが挙げられます。
このように、卸売販売業は一般の購入者に販売する店舗販売業とは販売先や取引形態が異なります。そのため、申請や運用にあたっては、誰に動物用医薬品を販売するのかを整理したうえで、取扱品目や営業所の管理体制なども確認する必要があります。
配置販売業は、相手先に動物用医薬品を配置し、使用された分を補充しながら販売または授与する業態です。
店舗で購入者に販売する店舗販売業とは異なり、配置先を回りながら医薬品を管理・補充していくため、配置できる医薬品の範囲、配置区域、配置員、管理者、従事者に関する届出などを確認する必要があります。
そのため、申請や運用にあたっては、どの地域で、どのような医薬品を、どのような体制で配置販売するのかを整理しておくことが重要です。
特例店舗販売業は、地域の事情などにより、知事が特に必要があると認める場合に、指定された品目について認められる販売業です。
取り扱える医薬品は指定された品目に限られるため、通常の店舗販売業のように自由に品目を増やせるものではありません。販売品目を追加・変更する場合は、その内容に応じて申請や届出が必要になります。
また、特例店舗販売業では、特定販売の取扱いに制限があります。東京都では、特例店舗販売業によるインターネット販売は認められていないため、特定販売を検討する場合は、管轄窓口の最新案内を確認する必要があります。

動物用医薬品販売業の申請では、販売業の種類によって必要書類が異なります。
主な書類としては、次のようなものがあります。
これらの書類がすべての販売業で一律に必要になるわけではありません。販売業の区分、申請者が個人か法人か、管理者の資格、特定販売の有無、取扱品目などによって必要書類は変わります。
たとえば、特例店舗販売業では取扱い品目一覧表が関係する一方、店舗販売業や卸売販売業では、管理者の資格や営業所の体制に関する書類の確認が重要になります。また、申請時には所定の手数料が必要です。金額や納付方法も販売業の区分や管轄窓口によって異なるため、実際に申請する際は、申請先の最新案内に沿って必要書類とあわせて確認する必要があります。
動物用医薬品販売業では、販売業の区分に応じて、管理者や資格者の体制を整える必要があります。薬剤師や登録販売者の資格だけでなく、管理者としての要件や、実務経験・従事状況を確認するための書類も関係します。
特に、登録販売者が管理者となる場合は、販売業の区分や取り扱う医薬品に応じて、実務経験や従事状況を確認する書類が必要になります。どの資格者を管理者とするかによって必要書類が変わるため、申請前に要件を整理しておくことが重要です。
また、管理者や資格者の体制は、許可申請時だけの問題ではありません。営業開始後も、実際の勤務状況、取扱品目、販売方法、相談対応の体制が許可内容と合っている状態を維持する必要があります。

動物用医薬品についても、インターネット、カタログ、ファックス、電話などを利用して特定販売を行うことができます。
動物用医薬品の特定販売とは、店舗において、その店舗以外の場所にいる者に対して動物用医薬品を販売または授与する方法をいいます。具体的には、インターネット、カタログ、ファックス、電話等で広告し、メール、ファックス、電話等で注文や相談対応を行う場合がこれに当たります。
特定販売も、許可を受けた店舗を根拠として行う販売であることが前提です。そのため、動物用医薬品を携行して店舗以外の場所で販売する方法とは区別して考える必要があります。
特定販売を行う場合は、販売する医薬品の区分、通信手段、広告に使用する名称、販売時間、ホームページの構成、相談対応の方法などを整理し、届出内容と実際の運用が一致するようにしておく必要があります。
なお、特例店舗販売業については、特定販売の取扱いに制限があるため、管轄窓口の最新案内を確認する必要があります。

動物用医薬品販売業は、許可を受けた後も、営業内容の変更や許可の更新に応じて各種手続きが必要です。
主な手続きとしては、次のようなものがあります。
変更届では、申請者の氏名・住所、法人の薬事業務に関する役員、薬剤師や登録販売者、管理者の住所、店舗や営業所の構造設備、兼営事業、配置区域などが対象となります。
また、店舗や営業所の名称、相談に応じる連絡先、特定販売の実施の有無、特定販売に使用する通信手段、特定販売を行う医薬品の区分などを変更する場合も、変更内容に応じた手続きが必要です。
さらに、許可には有効期間があるため、継続して営業する場合は更新申請が必要です。更新時に許可関係事項の変更がある場合は、変更届の要否もあわせて確認する必要があります。

動物用医薬品販売業を検討する際は、人用医薬品販売業と同じ感覚で進めず、動物薬事の制度として確認する必要があります。
特に、次の点を早めに整理しておくことが重要です。
動物用医薬品販売業では、販売業の区分によって必要書類や確認事項が変わります。そのため、店舗で販売するのか、卸売を行うのか、配置販売を行うのか、特例店舗販売業に該当するのかを最初に整理すると、必要な許可や手続きの全体像を把握しやすくなります。
また、動物用医薬品は、動物の健康だけでなく、畜産物の安全や公衆衛生にも関係します。取扱品目や販売方法については、古い資料だけで判断せず、申請時点の最新情報を確認する必要があります。
人用医薬品の販売制度については、以下の記事でも整理しています。
動物用医薬品販売業は、人用医薬品の販売制度と似た名称や仕組みもありますが、所管や手続きの枠組みは異なります。そのため、人用医薬品と動物用医薬品は分けて確認する必要があります。
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