《かかりつけ薬剤師》・《かかりつけ薬局》について解説|大塚法務行政書士事務所|東京都葛飾区
かかりつけ薬剤師・薬局とは?基本的なことから、かかりつけ薬局になるには、どの様な要件等があるのか等の解説をしております。尚、厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」公表されており、その中で、かかりつけ薬剤師・薬局がが持つべき機能として3つの要素が挙げられています。
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局とは?

男女の薬剤師
・厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」平成27年10月23日に公表されておりますが、そこには、かかりつけ薬剤師・薬局がが持つべき機能として、3つの要素が挙げられています。

① 服薬情報の一元的・継続的把握
主治医との連携、患者からの聞き取り、お薬手帳の内容把握等により患者の医療・服薬等の情報を一元的・継続的に把握し、薬学的管理・指導を行う。

 

② 24時間対応・在宅対応
開局時間外においても電話相談を実施、夜間・休日においても症状悪化等の場合には調剤を実施、残薬管理等の為、在宅対応にも関与。

 

③ 医療機関との連携
医師の処方内容をチエックし必要に応じて処方医に疑義照会・処方提案を行う、調剤後も患者の状態を把握し処方医へのフィードバックや残薬管理・服薬指導を行う。医薬品・健康等の相談対応し医療機関の勧奨、地域関係機関との連携

かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局には、上記の3要素が求められています。

 

1.かかりつけ薬剤師とは?・かかりつけ薬局とは?

書類をチエックする薬剤師
かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局とは、どの様なことを指すのか、日本薬剤師会によると下記の様に定められています。

かかりつけ薬剤師

「かかりつけ薬剤師」とは、患者が使用する医薬品について、一元的かつ継続的な薬学管理指導を担い、医薬品、薬物治療、健康等に関する多様な相談に対応できる資質を有するとともに、地域に密着し、地域の住民から信頼される薬剤師を指す。

 

かかりつけ薬局

「かかりつけ薬局」とは、地域に必要な医薬品等の供給体制を確保し、その施設に従事する「かかりつけ薬剤師」が、患者の使用する医薬品の一元的かつ継続的な薬学管理指導を行っている薬局を指す。

2.かかりつけ薬剤師に求められる資質

薬剤師
かかりつけ薬剤師に求められる資質として、日本薬剤師会から述べられておりますので、こちらも掲載させて頂きます。

① 地域の住民から、医薬品等に関する相談を親身になって受け、そのニーズを把握することができる。
② 常に自己研鑽に励み、最新の医療および医薬品等の情報に精通している。
③ 地域医療連携に不可欠な地域の社会資源等に関する情報を、十分把握している。
④ 薬事・保健衛生等に関する地域の社会活動、行政活動等に積極的に参加し、地域包括ケアシステムの一員として活動できる。
⑤ 医薬品等の使用について的確な情報提供や指導を行うことができ、また、適切にかかりつけ医等へ受診勧奨等を行うことができる。
⑥ 医薬品の一元的かつ継続的な薬学管理指導を行い、処方医に対して薬学的知見に基づき疑義照会を行うなど、かかりつけ医と連携して、患者に安全で安心な薬物治療を提供することができる。

 

・地域の住民・患者から信頼される「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」の役割について 平成27 年9 月16 日 日本薬剤師会より

上記④の社会活動、行政活動については、例として下記の様に述べられています。

① 地域ケア会議など地域で多職種が連携し、定期的に継続して行われている医療・介護に関する会議への主体的・継続的な参加
② 地域の行政機関や医療・介護関係団体等が主催する住民への研修会等への主体的・継続的な参加
③ 行政機関や学校等の依頼に基づく医療に係る地域活動への主体的・継続的な参画
④ 行政機関や地域医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力のもとで実施している休日夜間薬局としての対応、休日夜間診療所への派遣
⑤ 委嘱を受けて行う学校薬剤師の業務等

 

・事務連絡 疑義解釈資料の送付について(その3) 厚生労働省保険局医療課 平成28年5月19日より

3.かかりつけ薬剤師に関する特掲診察料の施設基準

薬剤師と高齢者
かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に関する施設基準は、以下の要件を全て満たす保険薬剤師が配置されていることが条件になります。

 

(1) 以下に掲げる勤務経験等を有していること。

① 施設基準の届出時点において、保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験がある。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として 保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。

 

② 当該保険薬局に週 32 時間以上(32 時間以上勤務する他の保険薬剤師を届け出た保険薬局において、保険薬剤師について育児・介護休業法第 23 条第1項若しくは第3項又は 第 24 条の規定による措置が講じられ、当該労働者の所定労働時間が短縮された場合にあ っては週 24 時間以上かつ週4日以上である場合を含む。)勤務している。

 

③ 施設基準の届出時点において、当該保険薬局に継続して1年以上在籍している。

 

(2) 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。

 

(3) 医療に係る地域活動の取組に参画していること。

 

(4) 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話の やりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。

 

・特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0304 第3号 令和4年3月4日より

4.届出様式

上記、基準を満たしたうえで、届出を行う必要があります。届出書類の別添2及び様式90は、下記の厚生労働省HPよりダウンロードして下さい。

 

かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に関する届出様式

別添2 特掲診察料の施設基準に係る届書(厚生労働省)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/h30/r4-2-000-001.pdf

 

様式90 施設基準に係る届出書添付書類(厚生労働省)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/t90p.pdf

 

こちらは、かかりつけ薬剤師が使用する様式例になります。こちらも下記の厚生労働省HPよりダウンロードして下さい。《参考:かかりつけ薬剤師指導料(かかりつ薬剤師包括管理料 様式例(厚生労働省)》
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603921.pdf

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