作成方法では、綴じ方や署名押印の方法も解説しておりますので、是非ご覧ください。
遺産分割が話し合いで、まとまりましたら、後々、揉めない様に必ず書面化しましょう。
・《遺産分割協議》は、通例では、相続人全員が一同に会して行われますが、遠方の相続人がいる場合等は、電話や手紙などを使用して協議を進める方法もあります。
その場合、協議書の署名押印は?という事になりますが、相続人数分作成した協議書を郵送等にて持ち回りで署名・押印等する方法もあります。
※全員の署名押印が終わった段階で各自一通保管します。
(※不動産相続登記は、同一内容の協議書に各相続人が、1人分の署名押印し、相続人全員分が揃う事で可能です。この場合、持ち回りより時間の短縮になります。但し銀行等の手続に協議書が必要な場合は、左記方法で良いか?確認する必要があります。)
遺産分割協議書は、氏名・住所を各相続人が署名し押印します。原則、手書きで、ご本人が署名し実印を押印します。住所は、印鑑証明書に記載されている住所の通り記載します。
ここで作成した遺産分割協議書は、銀行等の相続手続きを行う場合に原本提示を求められる場合があります。その場合、印鑑証明書と併せて提示します。
相続人の方に未成年者・又は重度の認知症の方等がいる場合は、法定代理人等による署名・押印が必要です。
お客様の中には、実印をお持ちでない方もおられますが、銀行手続等に実印・印鑑証明書が必要になりますので、この際に実印を作り、印鑑登録された方が良いかと思います。
遺産分割協議書の形式は特に決められておりませんが、当事務所では、A4用紙(縦)に横書きで作成しております。他の士業が作成した協議書も見る機会がありますが、同様の形式が多く思われます。
次に遺産分割協議書が複数枚になる場合は、ホチキス止め(通常2箇所)し相続人全員が契印します。契印は接するページがある箇所に全て押印します。
枚数が多くページ毎に押印する事が大変な場合は、ホチキス止めした協議書を製本テープで綴じ、表紙と裏表紙の製本テープとページが接する箇所に契印する方法もあります。
相続人間で話合いが、まとまらない場合、家庭裁判所に調停・審判の申立てを行い、解決をゆだねる事になります。
又、相続税申告の必要がある時は、申告期限(相続開始から10ヶ月以内))に仮申告(法定相続分)と納税を行い、遺産分割の決定後に修正申告をします。
・ここでは、遺産分割に関連する問題をQ&A型式にて掲載致します。
遺産分割協議の内容に納得出来ません。もう一度やり直し出来ますか?
遺産分割協議は、相続人全員の合意により成立します。一度、成立すれば効力が生じ 無効や取消の原因がない限り 原則としてやり直しすることは出来ません。
遺産分割協議で相続人の1人が不動産を取得する代わりに、別の相続人に代償金を支払う。と約束していたのに、中々、履行してくれない。という様な場合であっても、遺産分割協議を解除して、やり直しを求めることは出来ないとされています。
この場合は、調停や訴訟で実現を求めることになります。
遺産が後に新しく出てきた場合は、その遺産について新たに協議をする事になります。但し、漏れていた財産が、一部の相続人に隠匿されたものであったり、遺産全体の中で大部分を占めるときは、従前の遺産分割協議の無効を主張することができます。
以上の様に、一度 成立した遺産分割協議は、原則として解除できませんが、相続人全員の合意があれば、その合意によって先の遺産分割協議を解除し、新たに遺産分割協議をすることができます。
遺産が現金と預貯金だけですが、この場合 遺産分割は どうなりますか?
最高裁の判例では、遺産が金銭だけの場合においては、相続が開始と同時に、共同相続人は、遺産を協議等により分割するまでもなく法定相続分によって相続するという判例がありました。
しかし近年、判例の変更が行われ、当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象になると判示されました。
相続財産が金銭のみの場合、遺産分割協議は、特に必要なく、各相続人が直接、自己の相続分を金融機関等に請求すること出来ると考えられていました。
しかし、今回の判例変更により、金融機関等に請求する場合は、遺言書、遺言書がない場合は相続人全員の同意を示す書面(遺産分割協議書・銀行所定の用紙等)が必要と考えられます。
金融機関では、預貯金者の死亡を確認すると口座を閉鎖することになります。その為、相続人が預貯金を相続した場合は、名義変更又は払い戻しの請求が必要となります。
請求する際には、①相続人全員の実印、②印鑑証明書、③被相続人と相続人の戸籍謄本、④その他、銀行側に用意してある書類に全員が実印の押印。などの手続等が必要になります。
相続人全員が手続きできない場合は、あらかじめ、金融機関に相談しておく必要があります。
その他、葬儀費用・当面費用等が必要な為、事前にお金を引出す場合が有りますが、このお金は、相続財産に含まれますので注意が必要です。
一方的に送られてきた遺産分割協議案に対して、内容に納得できません。どうすれば良いですか?
内容に納得できなければ、まずは説明を求めましょう。又、財産目録を きちんと示してもらい、生前贈与や寄与分の問題があれば、その説明もしてもらいます。
基本的には、法定相続分に従って協議を進めることを要求してください。
不動産や預貯金など遺産の種類が複数ある場合、まとめて法定相続というより、不動産は誰、預貯金は誰とした方が分けやすいでしょう。
もし、相続人の間で話がまとまらなければ、亡くなった方の「最後の住所地を管轄する家庭裁判所」に遺産分割協議の調停を申し立ててください。相手が弁護士を立てない限り立ない限り、出来るだけ相続人の間で話をしていきましょう。
遺産分割協議が、まとまった後に遺言書が出てきたり、隠し子が現れたりした時は、状況に応じてやり直しが必要になります。
遺言書は開封せずに、家庭裁判所で検認手続をしてください。遺言書の内容が有効なものであれば、その内容が優先しますので、成立した遺産分割協議の内容は無効となります。
但し、遺言書の内容を明確に理解した全員の同意があれば、遺言書と違う遺産分割協議の内容であっても有効となります。
もし相続人の中に1人でも遺言書の内容をもとに、遺産分割協議の内容に異議が出た場合には、遺産分割をやり直すこととなります。
戸籍等により認知の事実が判明したときは、その隠し子は 相続権を得ることになります。
その場合、遺産分割協議はやり直しになりますが、遺産分割協議は既に終了しているので、隠し子は 相続分を金銭の支払いで求め、各相続人から支払いを受けることになります。
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